new_framework_defaults_7_1.rb で NameError が発生する #rails

問題

Rails 7.0 から 7.1 にアップグレードしたので、7.1 のデフォルト設定を有効化しようとしていたら new_framework_defaults_7_1.rb でエラーが発生した。

エラー内容

action_view.sanitizer_vendoraction_text.sanitizer_vendor で使用している Rails::HTMLuninitialized constant になってしまう。

NameError: uninitialized constant Rails::HTML (NameError)

Rails.application.config.action_view.sanitizer_vendor = Rails::HTML::Sanitizer.best_supported_vendor

原因

Rails の Issue になってた。

sprockets-rails を使用していない場合、 rails-html-sanitizer を require する必要が発生していた。

github.com

対応

すでに修正 PR がマージ済なので、対応版のリリースを待つ。

「GitLabに学ぶ 世界最先端のリモート組織のつくりかた」を読んだ

少し話題になっていて気にはなっていたのだが、社内で輪読会が開催されることをきっかけに読んでみた。

GitLabという実例

GitLabという実例を元に、背景にある考え方を大事にしながら制度や仕組みを紹介している。

個性的な仕組みや制度も多く、興味深かった。

もう少し詳しく知りたいな〜、と思うところがちょこちょこあったけれど、あくまで一企業の例でしかないことを考えると、抽象と具体のバランスがよかったといえるのかもしれない。

本を読みながら改めて感じたけれど、リモート制度に限らず真似すればうまくいくというものではないと思うので。

印象に残った点

良し悪しはおいておくと、GitLab は仕事のパフォーマンスに一人ひとりのプライベートや内部的な価値観が大きく影響するという考え方があると感じた。

今の自分の環境

自分は基本リモート勤務しており、この一年間でも数回程度しか出社していない。 ただ全社的には出社を前提とする職種もある。

とはいえ、実は今のところリモート環境下における強い課題を自分自身は感じていない。 (より優先順位の高い課題に隠されている可能性はある)

なので、この本がめちゃくちゃ刺さったかというとそうではないんだけれど、難しいなと思うのは、状況が変わると働き方の課題の大きさや優先順位は随時変わっていくだろうなということ。

変数としては組織の拡大・縮小(人数の増減)が大きいだろうけど、体制やプロダクト・事業のフェーズも影響してくると思う。

そんなときにこの本を読んだことがヒントになるかもしれない。

おまけ

ちょうど輪読会の時期にタイムリーに、元GitLabの人の記事が話題になっていた。

t2y.hatenablog.jp

ZIPCODA API を使って、郵便番号の逆引きをした

概要

住所の一覧から郵便番号をまとめて逆引きしたかったので、 ZIPCODA API を使って実現してみた。

CSV ファイルから住所を読み込んで、結果も同じく CSV ファイルに書き込むだけ。

github.com

ZIPCODA を使った理由

たぶんサービス等で定常的に利用するなら ケンオール あたりを使うのがいいんだろうけど、一時的な利用だとオーバースペック感があったので、別のを探していたら見つけた。

API はシンプルで使いやすいと思う。

zipcoda.net

補足

最初は GAS で雑に済ませようと思ったけれど、 GAS からのアクセスは制限されているようだったので、プログラムを書いた。

API の過剰な呼び出しを防ぐように wait するようにしているおり、結果として処理は全部同期的に行うような形になった。

API の結果を住所単位でキャッシュするようにはしているけど、実際に役立つのは繰り返し実行したりするときくらいだと思う。

「プロを目指す人のためのRuby入門」を読んだ #ruby #チェリー本

今の会社に出戻ってから Ruby On Rails をやることになり、まずは Ruby について学びたいなと思って手に取った本。

実際に読み終わったのは少し前なのだけれど、備忘のために書いておく。

改訂版だと Ruby 3.0 に対応してくれている。

実践的な入門書

網羅性が高くかつある程度深く解説してくれるので、まさに実務で使う人のための入門書という感じ。

そのためそれなりの分厚さではあるけれど、著者がかなり読み手に寄り添った形で書いていてくれて、読み進めるモチベーションを保てる。

テストと一緒のハンズオン

ただ読むだけでなく、ハンズオン的に手を動かせるようにもなっているので、その意味でも実践的だった。

入門書の類はどうしてもテストに関する事項が薄かったり省かれたりしがちだけど、ハンズオンがテストとセットで進める形になっているところに非常に好感を持った。

まとめ

Ruby は自分が今までメインで慣れ親しんできた言語と毛色の異なる書き方が結構あるけど、この本のお陰で脳内にインデックスを作れたので、コードを読み解く土台になってくれたと思う。

この充実度の書籍が存在してくれるのは Ruby 初心者として非常に助かった。

Ruby で nil の場合に別の値を入れる #ruby

まとめ

ぼっち演算子と or 演算子を使うといい感じに書ける。

result = hoge&.value || "default"

愚直に書く

if hoge== nil
    result = "default"
else
    result = hoge.value
end

nil? を使う

Object クラスにレシーバーが nil の場合に真偽値を返すメソッドがある。

docs.ruby-lang.org

if hoge.nil?
    result = "default"
else
    result = hoge.value
end

三項演算子を使う

単純な条件なら三項演算子で一行にまとめて書いてもよさそう。

result = hoge.nil? ? "default" : hoge.value

nil? を使わない

nil はそもそも if で false に判定されるのでなくてもよい。

result = hoge ? hoge.value : "default"

ぼっち演算子と or 演算子を使う

ぼっち演算子はレシーバーが nil のときはメソッドが呼ばれず nil を返し、 nil でないときはメソッドを呼び出してくれる。

result = hoge&.value || "default"

追記

ridgepole で MySQL の TEXT 型を後から Not Null にするとエラーになる #Rails #MySQL #ridgepole

概要

Rails で DB の構成管理に ridgepole を使っているんだけれど、 MySQL の TEXT 型に後から Not Null 制約を付けるとエラーになってしまう。

github.com

原因

例えば下記の用に定義していたとする。

# 最初は null: true で作成
t.text "my_text", null: true, comment: "テキスト"

しかし null: true にして、実行した場合には最終的に default: nil が不正になって、エラーが発生してしまう。

# Not Null にしてみる
t.text "my_text", null: false, comment: "テキスト"
-- change_column("my_table", "my_text", :text, {:null=>false, :comment=>"テキスト", :default=>nil, :unsigned=>false})
[ERROR] Mysql2::Error: Invalid use of NULL value

では default 値を指定すればいいのかというと、実は MySQL の TEXT 型は default 値を設定できないため、エラーになる。

# default を指定してみる
t.text "my_text", null: false, default: "dummy", comment: "テキスト"
-- change_column("my_table", "my_text", :text, {:null=>false, :comment=>"テキスト", :default=>"dummy", :unsigned=>false})
[ERROR] Mysql2::Error: BLOB, TEXT, GEOMETRY or JSON column 'description' can't have a default value

対応

スマートにやる方法は浮かばなかったので、別名カラムを用意して、最終的に元の名前にリネームするという手段を取ることにした。

データの移行が必要だったりするので、レコード数や値によっては大変かもしれない。

t.text "my_text", null: true, comment: "テキスト"
# 移行先のカラムを別名で用意する
t.text "my_text_tmp", null: false, comment: "テキスト"

移行先のカラムにデータ移行した後、必要であれば Railsalias_attribute を使って、移行先で運用に問題ないか確認できる。

https://railsdoc.com/page/alias_attribute

# 移行先のカラムを参照するように変更できる
alias_attribute :my_text, :my_text_tmp

使っているライブラリによっては alias_attribute だと二重参照になるような場合もある。

自前でメソッドを作って回避する方法もあるが、逆に別名が局所的になるので、一長一短ではある。

# 自前でメソッドを作る手もある
def my_text
  my_text_tmp
end

問題なさそうなら、古いカラムを別名にする。

カラム名を元に戻すタイミングとアプリケーションの反映タイミングがずれるとエラーになる可能性があるため、先に別の名前にしてしまう。

ridgepole でカラム名を変更するときは、 renamed_from を使用する。

# 元のカラムを別名に変更する
t.text "my_text_old", null: true, comment: "テキスト", renamed_from: "my_text"
t.text "my_text_tmp", null: false, comment: "テキスト"

アプリケーション側で再び元のカラムを参照するように変更し、新しいカラムを最終的な名前に変更する。

これでアプリケーションのリリースタイミングによらず、エラーにならなくなる。(更新が走ったりするのであればもっと考えることは増えると思う)

# 元のカラムを参照するように変更する
alias_attribute :my_text, :my_text_old
t.text "my_text_old", null: true, comment: "テキスト"
# 移行先カラムを最終的な名前に変更する
t.text "my_text", null: false, comment: "テキスト" , renamed_from: "my_text_tmp"

アプリケーション側で alias を外し、問題なければ古いカラムを削除する。

# alias は不要になるので削除
# alias_attribute :my_text, :my_text_old
# 古いカラムは削除
# t.text "my_text_old", null: true, comment: "テキスト"
# 移行先カラムを最終的な名前に変更する
t.text "my_text", null: false, comment: "テキスト" , renamed_from: "my_text_tmp"

まとめ

ridgepole に限らず、 MySQL の TEXT 型は後から Not Null 付与しようと思うと色々面倒くさそうなので、初期から慎重になったほうがよい。

参考

importmap で特定のページでだけ使う js を作る #rails

概要

importmap-rails を使っている場合に、特定のページだけで使う js ファイルを作る方法をまとめる。

github.com

js ファイルを用意する

任意のファイル名と実装内容で良いが、ここでは下記のようにする。

  • app/javascript/foo/special.js

import 可能にする

ディレクトリ配下を pin していれば、ファイルを追加しても自動で importable になる(もちろんファイル単体で pin してもよい)。

pin_all_from "app/javascript/foo", under: "foo", to: "foo"

view ファイルで読み込む

呼び込みたいページの view ファイルで読み込む。

head タグ内等、レイアウト側で読み込むことを想定して content_for を使う。

<% content_for :javascripts do %>  
  <%= javascript_import_module_tag "foo/special" %>  
<% end %>

レイアウトファイルで読み込む

head タグ等で yield して、読み込むようにする。

この時、 javascript_importmap_tags より後に読み込む必要があることに注意。

<%= javascript_importmap_tags %>
<%= yield(:javascripts) if content_for?(:javascripts) %>

参考

importmap-rails の README で、 Selectively importing modules あたりを見るとよい。