Active Storage で XML の Content-Type が application/octet-stream になるのを防ぐ #rails
問題
Rails から Active Storage で S3 に XML をアップロードし、CloudFront でホスティングしようとしていた(XML は RSS フィードのようなもの)。
ファイルはアップロードされ、CloudFront 経由でアクセスもできたのだが、ブラウザだとダウンロードされてしまい表示ができなかった。
原因
S3 で当該 XML のプロパティを確認したところ、メタデータがおかしくなっていた。
Content-Disposition
に attachment
が設定されてしまっており、そのためブラウザでダウンロードになってしまっている。
また Content-Type
も application/xml
を指定しているにも関わらず、application/octet-stream
になっていた。
データ( active_storage_blobs
)の content_type や S3 でのオブジェクトタイプは問題なかった。
my_model.attach( io: f, filename: 'feed.xml', content_type: 'application/xml', key: 'feed.xml' )
対応
Rails の設定を変更することで解決した。
config.active_storage.content_types_to_serve_as_binary
content_types_to_serve_as_binary
に設定されている Content-Type
は、常に attachement
として扱われてしまう。
デフォルトで text/xml
や application/xml
が含まれているので、外してやる必要がある。
config.active_storage.content_types_allowed_inline
content_types_allowed_inline
は Active Storageでインライン配信を許可する Content-Type
を設定するものだが、application/xml
を含めておくようにしないと S3 上でのメタデータも意図したようにならない。
デフォルト値に追加しておくとよい。
# application/xml を削除 config.active_storage.content_types_to_serve_as_binary = %w(text/html image/svg+xml application/postscript application/x-shockwave-flash text/xml application/xhtml+xml application/mathml+xml text/cache-manifest) # application/xml を追加 config.active_storage.content_types_allowed_inline = %w(image/webp image/avif image/png image/gif image/jpeg image/tiff image/vnd.adobe.photoshop image/vnd.microsoft.icon application/pdf application/xml)
まとめ
設定を変更することで、問題なく表示されるようになった。
一律でなくファイルによって個別に対応する必要があるような場合は、都度設定を切り替えるようにすればできそう(調べていない)。
参考
MySQL でクエリ単位のタイムアウトを仕込む #mysql
やりたいこと
MySQL で重い可能性があるクエリを投げるときに、一定時間以上かかったら、タイムアウトとしてキャンセル用にしたい。
解決策
MySQL のシステム変数でタイムアウト関連の設定をいじるという手もあるが、max_execution_time
をオプティマイザヒント句に埋め込むことで簡単にクエリ単位で動作させられる。
SELECT /*+ MAX_EXECUTION_TIME(1000) */ * FROM hoge_table;
max_execution_time
はミリ秒単位の数字で設定できる。
実行時間が超えてしまった場合には下記のようなエラーが返ってくる。
Error running query: Query execution was interrupted, maximum statement execution time exceeded
手軽に使えるので、とりあえず検証用とかでクエリを流したい場合なんかに活用できそう。
参考
Rails + MySQL で半角全角区別なく検索したい #rails #mysql
問題
文字列のあるカラムに対して、半角全角や大文字小文字を区別なく検索したい場合がある。
(例) ABC
で検索した場合に、ABC
や abc
もヒットしてほしい
COLLATION を使う
MySQL の場合、照合順序(COLLATION)の設定で実現できる。
charset が utf8mb4 の場合、utf8mb4_unicode_ci
を使う。
COLLATION | 大文字小文字 | 半角全角 |
---|---|---|
utf8mb4_general_ci | 区別しない | 区別する |
utf8mb4_unicode_ci | 区別しない | 区別しない |
utf8mb4_bin | 区別する | 区別する |
COLLATE 句を使う
テーブルやカラムに対しても設定できるが、 COLLATE 句を使うことで、SQL レベルで照合順序を上書きすることが可能。
これにより影響範囲を局所的にできる。
SELECT * FROM sample WHERE -- WHERE で COLLATE を指定する name LIKE '%Alice%' COLLATE utf8mb4_unicode_ci;
Rails で使う
Ruby On Rails で使う場合、 scope を用意してあげればよさそう。
scope :fuzzy_matching_by_name, ->(name:) { where('name LIKE ? COLLATE utf8mb4_unicode_ci', "%#{sanitize_sql_like(name)}%") }
参考
「ゼロから始めるプロダクトマネジメント」を読んだ
プロダクト開発がどんなものなのかを分かりやすく説明していた。
自分はプロダクトマネージャーではなくプログラマの仕事だけれど、プロダクトマネジメントには意識的であれ無意識的であれ関わっているわけで、「自分たちがどういう仕事をしているのか」というのを再確認することができたかもしれない。
プログラマという職種的にはよりテクノロジーの具体や詳細、あるいはチーム運営みたいなものも重要な変数としては存在するんだけれども、シンプルな骨格を改めて認識するいい機会になったと思う。
new_framework_defaults_7_1.rb で NameError が発生する #rails
問題
Rails 7.0 から 7.1 にアップグレードしたので、7.1 のデフォルト設定を有効化しようとしていたら new_framework_defaults_7_1.rb
でエラーが発生した。
エラー内容
action_view.sanitizer_vendor
や action_text.sanitizer_vendor
で使用している Rails::HTML
が uninitialized constant
になってしまう。
NameError: uninitialized constant Rails::HTML (NameError) Rails.application.config.action_view.sanitizer_vendor = Rails::HTML::Sanitizer.best_supported_vendor
原因
Rails の Issue になってた。
sprockets-rails
を使用していない場合、 rails-html-sanitizer
を require する必要が発生していた。
対応
すでに修正 PR がマージ済なので、対応版のリリースを待つ。
「GitLabに学ぶ 世界最先端のリモート組織のつくりかた」を読んだ
少し話題になっていて気にはなっていたのだが、社内で輪読会が開催されることをきっかけに読んでみた。
GitLabという実例
GitLabという実例を元に、背景にある考え方を大事にしながら制度や仕組みを紹介している。
個性的な仕組みや制度も多く、興味深かった。
もう少し詳しく知りたいな〜、と思うところがちょこちょこあったけれど、あくまで一企業の例でしかないことを考えると、抽象と具体のバランスがよかったといえるのかもしれない。
本を読みながら改めて感じたけれど、リモート制度に限らず真似すればうまくいくというものではないと思うので。
印象に残った点
良し悪しはおいておくと、GitLab は仕事のパフォーマンスに一人ひとりのプライベートや内部的な価値観が大きく影響するという考え方があると感じた。
今の自分の環境
自分は基本リモート勤務しており、この一年間でも数回程度しか出社していない。 ただ全社的には出社を前提とする職種もある。
とはいえ、実は今のところリモート環境下における強い課題を自分自身は感じていない。 (より優先順位の高い課題に隠されている可能性はある)
なので、この本がめちゃくちゃ刺さったかというとそうではないんだけれど、難しいなと思うのは、状況が変わると働き方の課題の大きさや優先順位は随時変わっていくだろうなということ。
変数としては組織の拡大・縮小(人数の増減)が大きいだろうけど、体制やプロダクト・事業のフェーズも影響してくると思う。
そんなときにこの本を読んだことがヒントになるかもしれない。
おまけ
ちょうど輪読会の時期にタイムリーに、元GitLabの人の記事が話題になっていた。
ZIPCODA API を使って、郵便番号の逆引きをした
概要
住所の一覧から郵便番号をまとめて逆引きしたかったので、 ZIPCODA API を使って実現してみた。
CSV ファイルから住所を読み込んで、結果も同じく CSV ファイルに書き込むだけ。
ZIPCODA を使った理由
たぶんサービス等で定常的に利用するなら ケンオール あたりを使うのがいいんだろうけど、一時的な利用だとオーバースペック感があったので、別のを探していたら見つけた。
API はシンプルで使いやすいと思う。
補足
最初は GAS で雑に済ませようと思ったけれど、 GAS からのアクセスは制限されているようだったので、プログラムを書いた。
API の過剰な呼び出しを防ぐように wait するようにしているおり、結果として処理は全部同期的に行うような形になった。
API の結果を住所単位でキャッシュするようにはしているけど、実際に役立つのは繰り返し実行したりするときくらいだと思う。